
皆さん、サードハンドスモークという言葉をご存知ですか? これは日本語で三次喫煙”を意味する言葉です。一次喫煙は喫煙者自身がその排煙を吸い込むことです。二次喫煙は喫煙者の周囲の人がその排煙を吸い込むことであり、”受動喫煙”として、2020年4月より健康増進法が改正され、大きく規制されることとなりました。*1
三次喫煙とは、二次喫煙(受動喫煙)後、未だ空気中などに残る有害物質を吸入することを言います。
あまり聞くことのない言葉でしたが、数年前に奈良県生駒市が、市役所のエレベーターに喫煙後45分間は利用してはならない、というルールを設けて有名になりました。*2
喫煙が健康に大きな被害を与えることを知らない方はいないとは思いますが、改めて考えてみましょう。
タバコの燃えた際の煙には3種あり、喫煙者の吸う主流煙、吐き出した吸出煙、また火が付いたタバコから立ち上がる副流煙があり、副流煙が最も発がん性物質を含み有害であると言われています。
以下は、タバコに含まれる化学物質は以下の通りです。*3
一酸化炭素
ニコチン
タール
アンモニア
ベンゾ[a]ピレン
<カルボニル類>
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、アクロレイン、プロピオンアルデヒド、クロトンアルデヒド、メチルエチルケトン、ブチルアルデヒド
<窒素酸化物>
一酸化窒素、窒素化合物
<揮発性有機化合物>
1,3-ブタジエン、イソプレン、アクリロニトリル、ベンゼン、トルエン
<たばこ特異的ニトロソアミン類>
NNN:N-ニトロソノルニコチン、NAT:N-ニトロアナタビン、NAB:N-ニトロソアナバシン、NNK:4-(メチルニトロソアミノ)-1-(3-ビリジル)-1-ブタノン
たばこの煙は粒子成分とガス成分に分けると、何と、粒子成分に4,300種類、ガス成分に1,000種類の化学成分が含まれる健康を害する煙の代表格です。
健康被害は、がん・循環器・呼吸器・妊娠への影響が広範に直接の影響がありますが、脳卒中、虚血性疾患、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、結核、2型糖尿病、歯周病など多くの病気と関係しており、禁煙は予防できる最大の死亡要因であることが分かっています。
国立がん研究センターがん対策情報センターの資料によると日本では受動喫煙が原因で年間1万5千人が死亡していると推定されています。*4
サードハンドスモークによる被害をなくすためにも効果的なのは完全な禁煙です。喫煙できる場所や喫煙できる時間帯が残るのはサードハンドスモークの可能性まで無くすことにはならないのです。皆さんとその家族の健康を守るために今から、禁煙をしましょう!
参考文献
*1 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/
*2 https://www.sankei.com/article/20180330-6DJS46XMOJNH3FVYI6EHB2YRGI/
*3 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-05-
*4 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000130674.pdf
