医療保険では「被扶養者」という用語が使われます。被扶養者をカンタンに言うと、世帯主(被保険者)が生計を維持する家族などの同居者のことを指します。日本では、古くから家長が働き、家族を養うというスタイルがありました。家長が働きお金を稼ぐので、家長を納税者や社会保険の被保険者と位置づけていました。扶養という概念は主にアジア圏で見られ、アメリカや欧州では家族のあり方が異なるため、扶養という関係は見られません。
被扶養者になれるかどうかの条件は以外とややこしいのです。まず、その年の収入が103万円以下の方は、働く家族(配偶者、親など)の被扶養者となることが可能です。しかし、社会保険の場合は「生計維持関係の有無」で判断しますので、やや難しくなります。単純に収入だけでの判断ではありません。ここでは詳細を省きますが、その対象者が
などがその判断材料となります。家族が被扶養者の適用になるか不明な場合は、健保組合宛に問い合わせて下さい。
実は、被扶養者制度は健康保険にはありますが、国民健康保険にはありません。つまり、健康保険に加入している被扶養者は保険料を納めなくて良いのですが、国民健康保険には被扶養者という概念がないので、たとえ健康保険の被扶養者の条件に当てはまったとしても保険料を払わなくてはなりません。しかし日本の家族構成や生活スタイルは、核家族化や共働き、未婚率の増加など確実に変化しています。そういった変化の中で、社会保険のあり方もアップデートしていく必要があります。
