2025年6月から、熱中症対策は“努力義務”から“必須の職場管理”へと変わりました。いま、事業所に求められているのは、「暑さによる体調不良を未然に防ぐ体制づくり」です。これは、健康経営の実践にもつながります。命を守る備えは、働く人を守り、会社を守ることにつながります。
改正労働安全衛生規則では、暑熱環境で働く労働者への対策が事業所に義務づけられました。これには、以下のような具体的な整備・運用が含まれます。特に65歳以上、基礎疾患のある方など、リスクの高い人への個別配慮も必要です。
熱中症リスクの早期発見には、現場での「気づき」が欠かせません。症状が軽いうちに対応するためには、自力で水分補給できるかどうかを一つの目安として共有しておくことが大切です。また、「おかしいな?」と思ったらすぐに声をかけ合える雰囲気づくりも、立派な対策のひとつです。
厚生労働省では、7月を「クールワークキャンペーン重点取組月間」と位置づけ、職場の熱中症対策を強化しています。
この機会に、職場全体でのチェックリスト確認やマニュアルの見直しを行ってみましょう。
健康経営とは、特別な制度や取り組みを導入することだけを指すのではありません。日々の業務の中で、「働く人の健康と安全をどう守るか?」を意識し、小さなことから行動に移していくことが、その第一歩です。今回の熱中症対策の義務化は、まさにその象徴です。熱中症は、適切な対策を講じることで防ぐことができる“予防可能な健康リスク”です。だからこそ、事業所全体での備えや声かけの仕組み、環境整備が何より重要になります。これからの季節、暑さに対応できる職場環境を整えることは、「安心して働ける」「信頼される」事業所づくりにもつながっていきます。事業所の未来のためにも、働く人の命と健康を守る取り組みを、一緒に実践していきましょう。
