【田中新聞】0歳から100歳までの学習のススメ|Bonne Santé
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【田中新聞】0歳から100歳までの学習のススメ

12/4/2020
田中 克彦

単一健康保険組合の常務理事経験者である田中克彦氏が健康や健保について易しく解説します。
【コラム執筆】
単一健康保険組合
元常務理事 田中 克彦


寒いから風邪を引く?暗いから目が悪くなる?

 私は子供の時に母親に、「薄着のまま外出したら、風邪を引く」「暗い所でテレビを見ていたら目が悪くなる」と言ってよく怒られました。それは常識だと長い間信じ込んでいました。しかし、成人してから改めてこの常識について考えると、幼いころにはわからなかった理屈がありました。「寒いから風邪を引く」は、寒いと抵抗力が落ちてウィルスの侵入を許し、その影響で流行性感冒になるから。「暗い所でテレビを見ていたら目が悪くなる」は、暗いところで目を使い続けると目が非常に疲れることにより視力が低下するから。だったのです。この2つの例にように、常識と思い込んでいたのが、実は浅い知識であったり、あるいは間違いであったりすることが少なくありません。つまり、私たちは常に学び直しが必要なのです。知らなかったことを学ぶだけでなく、勘違いしていたことに気付くことも大切です。
 

リカレント教育

 リカレント教育はスウェーデンの経済ゴスタ・レーンによって提唱されました。簡単に説明すると、「目まぐるしく変化していく社会に適応し続けていくには、生涯にわたって学習を続けるのが好ましいですよね。だから労働だけじゃなくて教育もしていきましょうね」というものです。「勉強は学校でするもので、卒業したら勉強は終わり。仕事に集中しなきゃ。」という方がいらっしゃるのではないでしょうか。知識は古くなっていくものですし、忘れていくものですし、新しい概念は次々と生まれます。学校で身に着けた知識は数年で陳腐化するので、学習しなくなった人間はどんどん時代に取り残されていきます。実際に行われているリカレント教育の例を挙げますと、スウェーデンのとある会社では有給で学習できる制度があるそうで、働きながら大学に通っている方もいます。ここで、皆さんにお伝えしたいのは、働きながら大学に行きましょうということではなく、「自分で自分の知識をアップデートしましょう」ということです。何も大学やセミナーに行かなくても、今はインターネットで調べれば大体のことは分かります。「自分は○○について知りたいな」や「そういえば○○についてしらないなぁ」と好奇心を持って生活すれば知識のアップデートは容易です。元健保の人間からすると、「特に健康に関する知識を得て、生活習慣に気を付けてほしいな」というのがホンネです。
 

常に柔らかい頭で

 人間、学習する態度をなくすと、少しずつ身体だけでなく、頭も固くなります。生活習慣や発想がなかなか変えられなくなります。いままでの成功体験に依存し、気付かないうちに“常識”を作ってしまい、また何も考えずに直感で判断をするようになるでしょう。そうではなく、学習することを生涯の生活習慣として取り入れ、そしてただ知識を得るだけでなく、得た知識を行動に還元する。それがこれからの時代を楽しく健康に生きる術です。


プロフィール画像
田中 克彦
株式会社オゾンヘルスケアラボラトリー
株式会社オゾンヘルスケアラボラトリーのシニアコンサルタント。 1954年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学経済学部経済学科卒。日本発条㈱に1976年4月~2019年3月在籍し、経理部や人事部、同社健康保険組合常務理事を経験。その才能は多彩であり、多くの資格を持つ(労働安全衛生トレーナー、第一種衛生管理者、心理相談員、ストレスマネジメント検定(マスターコース)、キャリアコンサルタント、健康経営アドバイザー)
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