
整骨院・接骨院で働く柔道整復師という国家資格をご存知ですか?また、按摩、鍼、灸をそれぞれ頭の一文字を取って、「あはき」と医療関係者が呼ぶのをご存知ですか?これらは身体の痛みなどを治療する西洋医学を補完して、東洋医学に根差した古くから私たちのなじみのある白衣を着た先生たちです。しかし実は、先生ではあっても医師ではありません。ですから、この方々が行うのは、「診察」ではなく、「施術」です。これらの施術に対して、保険適用になるのは、医師がその施術に同意した場合に限定しているのですが、それが守られておらず社会問題化しています。
整骨院・接骨院の数は増加しています(1998年・2.3万か所→2014年・4.6万か所)。一方で減少傾向にあるガソリンスタンドの数をすでに上回り、コンビニエンスストアの店数に迫る勢いで、そこで働く柔道整復師は6.4万人(2014年)と16年間で約3倍になっています。
なぜ、このように急増しているのでしょうか?その理由の第一は、高齢化の進展があります。第二に、前に紹介した医師の紹介があれば、保険適用になる、つまり安く利用できることを利用した市場拡大があると考えられることです。あはきは整骨院・接骨院ほどではないにしても、全国に数は多くあります。あはきも保険適用があれば、利用してくれる人が増えるということになります。
整体師という職業もあり、多くが開業していますが、これは国家資格ではないため、保険適用の対象外ですけれども、中には保険適用を謳って客を集めているところもあります。
この医師ではない先生も、必要不可欠な存在で、医療保険の適用外で施術を受ける分には健保組合として何ら問題はないのですが、法令に反して保険適用の上、その保険者負担分を健保組合に請求してくるから無視できないのです。
私たちは、自分自身が窓口で支払う金額が少なければ良いということではなく、安易な気持ちではなく、自分の加入する健保組合を守るという自覚を持つことが求められています。そのためには若干の知識が必要ですので、整骨院・接骨院やあはきにかかる場合には、窓口で保険の適用について良く説明を受けましょう。また備えがあればパンフレットなども入手しましょう。勿論、支払い後に受け取った領収証を良く確認しましょう。私たちの味方である医師でない先生は、時として味方でなくなることもあるので、ご注意下さい。
