OPINION田中新聞

【田中新聞】手段と目的

2021/05/07
田中 克彦

目次

健康であれば死んでもいい?

長い間、健康ブームが続いています。では健康であれば何も要らないでしょうか?健康であることが目的でしょうか?そうではありませんよね。健康な状態でしたいことをする。なりたい自分になる。健康はそのための手段です。「健康であれば死んでもいい」という笑えない冗談もあります。

世の中では、手段と目的を取り違えることが良くあります。そして意外にその当事者はそれに気付きません。特に、集中してそのことに当たっていると目的、手段や周囲が見えなくなります。

健康診断は手段

毎年、受ける健康診断やメタボ健診(特定健康診査)は健康になるための単なる手段です。ですから、健診を受けてもその結果を見なかったり、生活習慣を変えなかったりして次の年の健診まで過ごすことは、手段があるのに活用できていないことになります。あるいは、健診結果やある症状のため、服薬指導を受けて薬を飲み続けてはいるものの何ら生活習慣を変えないとします。この場合も、健診を健康になろうという目的に向かっての手段として考えると、活用したことにはなりません。

会社で受ける定期健康診断は、仕事をしていくうえで必要な健康体でいるため。メタボ健診は40歳を過ぎてから、正しい生活習慣を維持していくためにあるのです。

常に目的を意識しよう!

最近、話題の言葉にESGがあります。ESGとは環境(Environment)、社会(Social)、統制(Governance)の頭文字を取ったものであり、ESG投資とはこの3要素を意識した事業活動を行っている企業に投資することです。

私は統制(Governance)とは、目的と手段をしっかりと意識することだと考えています。特に目的は忘れがち、意識しないことが多いので大切です。
以前、某医師と懇談した際に、私が「身体に悪いから、これは食べない、あれは飲まない」と話したら、「人生は楽しむためにあるんでしょう?我慢することはないです。好きなものを食べて、好きなものを飲みましょう」と言われ、驚きました。

この話は極論としても、健康は何の目的のために存在するかを常に理解、意識すれば、暴飲暴食や夜更かし、運動不足は減ることでしょう。健康はしたいことをするために、なりたい自分になるために存在するのですから。


田中 克彦
株式会社オゾンヘルスケアラボラトリー
株式会社オゾンヘルスケアラボラトリーのシニアコンサルタント。 1954年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学経済学部経済学科卒。日本発条㈱に1976年4月~2019年3月在籍し、経理部や人事部、同社健康保険組合常務理事を経験。その才能は多彩であり、多くの資格を持つ(労働安全衛生トレーナー、第一種衛生管理者、心理相談員、ストレスマネジメント検定(マスターコース)、キャリアコンサルタント、健康経営アドバイザー)