健保のしくみけんぽ解説シリーズ

皆さんの保険料はこうして決まっています!【算定基礎届と標準報酬月額】

2021/07/09
田中 克彦

目次

保険料

会社の給与計算の担当と健保組合の職員が最も忙しいのは毎年7月です。なぜなら、この時期は皆さんの健康保険料の金額を決定する算定基礎届を給与計算担当者が作り、健保組合へ提出する時期だからです。この仕事は全国で一斉に同じ時期に行われています。

今回は、皆さんの保険料がどうやって決められているのかについて解説していきたいと思います。

標準報酬月額という考え方

保険料を決めるために標準報酬月額という考え方があります。皆さんの給料は一人一人で違いがあり、増えたり減ったりすることがあるものです。給料が変化するたびに保険料率をかけて保険料を計算するのはとても大変な作業になります。

これを簡単にするためにあるのが標準報酬月額という仕組みです。これは、一定の幅の給料で等級を作って一定の金額として扱うというものです。例えば、給料が35万円から37万円の場合は、25等級の36万円という標準報酬月額となります。

標準報酬月額は多少の給料の増減では変化しません。変更が必要になるのは、給料の等級が2段階以上変化して3ヵ月継続した場合です。

その年度の保険料は7月に決定されます

この標準報酬月額は毎年4月から6月の給料を元に計算されます。会社はこれを算定基礎届に記入し、健保組合へ提出します。提出期限は7月上旬なので、この締め切り間際は健保組合は忙しいのです。こうして届が出され、9月から翌年8月までの1年間の保険料は原則として同じ標準報酬月額が用いられます。年度の途中で変更になるのは、大きく報酬月額が増減した場合や、出産や育児のために休業した場合などです。

以上は毎月の給料に対する保険料の話でしたが、毎年のボーナス(賞与)に対しても同じ保険料率で保険料が徴収されます。また、40歳以上が加入する介護保険も同様で、給料と賞与に介護保険料率をかけて健保組合が徴収します。厚生年金保険も仕組みは同じですが、保険料率と標準報酬月額の等級について違いがあります。健康保険料・介護保険料は健保組合によって異なりますが、厚生年金保険料は全国で18.3%で統一されているのです。また、標準報酬月額の等級は健康保険・介護保険で50段階、厚生年金保険は31段階と異なります。

健康保険、介護保険、厚生年金保険はいつもセットで被保険者の資格決定、標準報酬月額の決定がなされます。このため、4~6月の収入を減らせば保険料が減り、健康保険料と介護保険料を抑えられると考える方もいるでしょう。この場合、将来受けられる厚生年金も減ることになりますので、注意が必要です。

最後に

解説は以上になります。皆さんには毎年7月のこの大変な仕事がスムーズに進むよう、給与担当者や健保組合の職員にご協力いただけますよう、宜しくお願い申し上げます。


田中 克彦
株式会社オゾンヘルスケアラボラトリー
株式会社オゾンヘルスケアラボラトリーのシニアコンサルタント。 1954年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学経済学部経済学科卒。日本発条㈱に1976年4月~2019年3月在籍し、経理部や人事部、同社健康保険組合常務理事を経験。その才能は多彩であり、多くの資格を持つ(労働安全衛生トレーナー、第一種衛生管理者、心理相談員、ストレスマネジメント検定(マスターコース)、キャリアコンサルタント、健康経営アドバイザー)