
2018年のデータによると、抜歯の原因第1位は歯周病(38%)です。意外にも虫歯は第2位(29%)です。歯磨きは虫歯にならないためにするとともに、歯周病の予防にとても重要です。この記事ではそんな歯周病をキホンから解説します。
ズバリ、歯肉炎は歯周病の前段階のことです。つまり、歯肉炎に対して適切な処置を行わないと歯周病になってしまいます。歯肉炎は歯茎に炎症が起きている状態のことです。歯周病は炎症が進行し、歯茎より深い組織が破壊され、歯を支えている骨が溶けている状態のことです。
歯磨きの頻度が低かったり、磨き残しがあると歯垢(プラーク)がそのままになってしまいます。そのうち歯垢が溜まって、歯周病菌が過剰に増殖します。歯周病菌は空気に触れると増殖できない嫌気性菌なので歯周ポケットで増殖します。歯周病菌が増殖すると歯周ポケットはどんどん深くなり、歯茎は炎症し、骨まで到達すると歯周病になります。歯周病にならないためには、毎日の歯磨きが大切です。
意外に思われるかもしれませんが、タバコを吸うと歯周病になるリスクは上がります。さらに、喫煙者は歯周病になったときに治りにくいです。ニコチンは体の免疫力を低下させるため、細菌による炎症が起こりやすくなります。一酸化炭素は組織への酸素供給を妨げ、口腔内が歯周病菌が増殖しやすい環境になってしまいます。また、受動喫煙でも歯周病のリスクは上がります。周りの方のためにも、ご自身が歯周病にならないためにも禁煙をしましょう。
睡眠不足や運動不足、過剰なストレスを受けていると体の免疫が下がり、歯周病になりやすくなります。また、食生活も大いに関係しています。糖分が多い甘いものや、グミなどの歯につきやすい食べ物は歯垢が増えやすいです。食べないに越したことはありませんが、食べたときは良く歯磨きをしましょう。
特に、朝起きたときに粘つく場合は歯周病の可能性があります。
単にブラッシングが強い可能性もありますが、歯茎で炎症が起きているかもしれません。
口臭があると必ず歯周病というわけではありませんが、口腔内で菌が増殖している可能性があります。
腫れている、むずがゆい、痛い感覚があるのは問題のサインです。
歯茎が後退している可能性があります。
セルフチェックを見て、歯周病・歯肉炎かも?と感じた方は是非早めに歯科医院に行きましょう。歯周病は進行が速いので、なるべく早く受診することが大切です。
セルフチェックのどれにも当てはまらなかった方も点検のために歯科医院に定期的に通うとより安全です。自分のは歯を失うと二度と戻ってきません。自分の歯は自分で守りましょう。
参考文献
公益財団法人8020推進財団「永久歯の抜歯原因調査報告」(2018)
https://www.jacp.net/perio/about/
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/