"beriberi"という言葉を聞いて、どんな病気を想像しますか?クリーチャーの名前のような、何かを強調する際の軽快さやリズム感が想起させるような、そんな珍妙な名前ですが、日本語で脚気と呼ばれる疾患です。脚気は、ビタミンB1の不足によって発症します。かつて日本では国民病とも呼ばれた脚気について、その原因や歴史、症状、そして予防法を詳しく見ていきましょう。(beriberiという名前の由来について調べたのですが、諸説あるようなので気になる方は検索してみてください。)
beriberi、つまり脚気はビタミンB1の欠乏症です。ビタミンB1は代謝をサポートし、神経系の機能を維持する重要な役割を果たしています。そのため、このビタミンが不足すると、身体の様々な部分に影響が現れます。ビタミンB1以外にも、さまざまなビタミンの欠乏は健康上の問題を引き起こすため、栄養バランスの取れた食事が重要です。
玄米は栄養価が高く、B1を始めとするビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富です。しかし、精米によってビタミンB1などの栄養素が大きく減少してしまいます。特に江戸時代に都市部で白米が普及し始めた頃、脚気が増加し「江戸わずらい」とも呼ばれました。この時代は、主食が中心で副菜が乏しい食事が普通でした。明治時代に入ると、経済の発展と共に白米を食べる文化が全国に広がり、脚気は国民病となりました。その後、海軍での脚気の蔓延をきっかけに栄養不足が原因であることが明らかになり、予防策として海軍カレーが採用されました。実はこれが、海軍カレーの始まりです。そして、ビタミンB1が鈴木梅太郎によって発見され、脚気予防と治療の大きな進展となりました。
脚気の症状には疲労感や足のむくみ、感覚異常などがあり、重症化すると心不全を引き起こすこともあります。脚気予備軍の症状としては、疲れやすさや、動機、息切れなどが見られます。軽症の場合は栄養の改善で回復が期待できますが、症状が進行すると医療機関での治療が必要になることもあります。
脚気を予防するためには、ビタミンB1を多く含む食材を積極的に取り入れることが重要です。豚肉や玄米、全粒穀物、豆類などはビタミンB1が豊富なため、これらの食品を日常の食事に取り入れることが推奨されます。また、アルコールの過剰摂取もビタミンB1の消費を高めるため、注意が必要です。
現代でも、偏った食事や副菜不足、清涼飲料水やアルコールの多飲は脚気のリスクを高めます。栄養バランスの取れた食事を心掛けることで、この古くからの病気を予防することができます。