WELLNESS

レコーディングダイエット

2020/09/18
田中 克彦

「いつまでもデブと思うなよ」

「いつまでもデブと思うなよ」という本がかつて話題になったことがあります。この本が紹介したのは、意識改革の重要性です。毎日記録するという意識を常に持っていると、食事や運動を知らないうちにコントロールできるようになるというものでした。
私もその頃から、日々、体重と体温、歩数は記録しています。その結果でしょうか、体重は1割前後減っています。勿論、同時に医師に言われたので、野菜を多く摂取したり、”腹八分目”を心がけてきましたが、極めてローコスト(低額な費用)でダイエットが実現できています。もっとも私は体重を減らすのが目的ではなく高血圧対策で始めたのですが…。

自分との約束

近年、行動経済学に基づくナッジ理論が話題となっていますが、このレコーディングダイエットの現象は毎日、単に体重を記録し続けることなのではありますけれども、必ず自身で目標体重やその範囲を定めているはずです。これは”自分との約束”になります。
計測の結果、その目標値や範囲から逸脱していれば、なぜだろうかとその要因を考え、それにより行動を変化させる(食事や運動など)ことにつながり、それが好結果につながるものと考えられます。
しかし、これが他から押し付けられた目標値であったらどうでしょうか?仮に他からの提案であっても、自身で十分に納得していることが好結果につながります。こうして目標設定以降、後は自身の良心との戦いです。なかなか目標に達しないとあきらめて、途中で投げ出してしまわないことです。

特定保健指導につなげられないか?

このように、人間は自身で設定した目標に対しては、”自分との約束”として、実現しようという心理が働きます。
私は、2008年度から開始された特定健診・保健指導においてこの考え方が適用できることが望ましいと考えています。もちろん、一部の医療保険者では既にこの考え方が反映された特定保健指導が実施され、素晴らしい成果を上げています。それは医療専門職が一方的に、目標設定を対象者に迫るのでなく、十分な話し合いを経て、対象者が納得する目標設定を行う方法です。
特定健診は満40歳以上が対象ですから、40歳に到達したら、その時点で初めて健康管理の目標を設定して食事や運動の努力を始めるのではなく、それ以前に若い時代から、健康意識を高め、日常生活に配慮し、適切な食事や運動が継続できるよう、”自分との約束”ができると素晴らしいと思います。


田中 克彦
株式会社オゾンヘルスケアラボラトリー
株式会社オゾンヘルスケアラボラトリーのシニアコンサルタント。 1954年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学経済学部経済学科卒。日本発条㈱に1976年4月~2019年3月在籍し、経理部や人事部、同社健康保険組合常務理事を経験。その才能は多彩であり、多くの資格を持つ(労働安全衛生トレーナー、第一種衛生管理者、心理相談員、ストレスマネジメント検定(マスターコース)、キャリアコンサルタント、健康経営アドバイザー)
目次