英語で「athlete's foot」なんの症状か分かりますか?|Bonne Santé
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英語で「athlete's foot」なんの症状か分かりますか?

2/16/2024
中川 八十彦

「athlete's foot」という言葉を聞いて、スポーツ選手が特に悩む何か、と思い浮かべるかもしれませんが、実際には水虫、正確には足白癬のことを指します。「athlete's foot」という名前は、スパイク等の密閉性の高い蒸れがちな靴を履き、シャワー室やロッカールームを共有することが多く、真菌が繁殖しやすい環境にいることが多いことに基づいています。しかし、この条件はスポーツ選手以外の多くの人にも当てはまるため、実際には幅広い人々が感染リスクを持っています。


水虫は足にカビが生えている状態

足白癬は、白癬菌という真菌(カビ)の一種によって引き起こされます。この感染症の原因のほとんどはTrichophyton属に分類される真菌によるものです。白癬菌は皮膚、爪、頭皮の角質層に感染する真菌の一群です。この真菌は特に湿った環境を好み、人間の皮膚から栄養を得て生きることができます。白癬菌は非常に頑健で、直接の接触だけでなく、感染した皮膚片が付着したタオルやマット、靴などを介しても伝播する可能性があります。水虫は男性に多いイメージがありますが、女性も感染する可能性があります。


足白癬には3つの型がある

足白癬には、足白癬趾間型、小水疱型、角質増殖型の3つの型が存在します。

  • 趾間型: 足の指の間に発症します。皮膚が白くふやけ、剥がれやひび割れを伴います。
  • 小水疱型: 足の裏、特にアーチの部分に小さな水疱ができ、これが破れて痛みやかゆみを引き起こします。感染が広がると、水疱が大きくなり、ひどい場合は膿を伴うこともあります。
  • 角質増殖型: 足の裏全体が厚く硬い角質層で覆われ、亀裂が入ることがあります。痛みは少ないものの、皮膚が乾燥して見た目が悪くなります。


白癬菌は足以外にも感染する

白癬菌は足以外にも股部白癬(いんきんたむし)、頭部白癬(しらくも)、体部白癬(ぜにたむし)、爪水虫など、体の他の部位にも感染します。ちなみに「たむし」という言葉は、かつて田んぼで農作業をしていると発症し、田んぼに棲む虫のせいだと考えられていたため、「田虫」から来ていると考えられています。(諸説あります)

  • 股部白癬(いんきんたむし): 股の周辺に赤みを帯びたかゆみのある発疹が出現します。湿気がたまりやすい場所であるため、夏場に特に多く見られます。
  • 頭部白癬(しらくも): 頭皮に感染し、脱毛や赤い発疹が現れます。子供に多く見られる感染症です。
  • 体部白癬(ぜにたむし): 体の開放部に円形または多形の赤い発疹が現れ、中心部が次第に治癒していくことでリング状の外観を呈します。
  • 爪水虫: 爪が黄色く濁り、厚くなることが特徴です。感染が進むと爪がもろくなり、痛みを伴うこともあります。


足白癬になったときの治療法

足白癬になった場合、主な治療法は抗真菌作用を持つ外用薬の塗布です。進行すると爪に感染し、爪水虫に進行する可能性があるため、初期段階での治療が重要です。初期段階を見逃し、進行すると、白癬菌が皮膚の深い層まで侵入し、感染を根絶するのに時間を要するようになります。特に角質増殖型や爪水虫の場合、感染した角質や爪を完全に再生させるには数週間から数ヶ月かかります。さらに、再感染を防ぐためには、日常生活での予防措置が非常に重要です。治療中は定期的に医師の診察を受け、処方された治療を正しく続ける必要があります。

足白癬の感染源と予防法

足白癬の予防には、足を乾燥させ通気性を保つこと、清潔に保つことが重要です。また、公共の場所で共用される足ふきマットやシャワー室に直接触れないようにすることも感染を避けるために役立ちます。
特に以下の物や場所に気を付けてください。

  • 公共のシャワー室や更衣室
  • 共用の足ふきマットやタオル
  • 家庭内での感染
  • プールやジム
  • 公衆浴場や温泉

予防や治療中は以下のことに気を付けましょう。

  • 足の衛生管理: 毎日足を洗い、特に指の間をよく乾燥させることが重要です。水虫に効果的な抗真菌成分を含む石鹸を使用するのも良いでしょう。
  • 通気性の良い靴と靴下の選択: 通気性と吸湿性の良い素材の靴や靴下を選び、湿気を避けましょう。蒸れる靴は絶対ダメです。
  • 個人用品の共有を避ける: タオルや爪切り、足ふきマットなどは個人用にし、他人と共有しないようにします。


参考サイト

日本皮膚科学会 白癬(水虫・たむし)


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中川 八十彦
株式会社オゾンヘルスケアラボラトリー
株式会社オゾンヘルスケアラボラトリーのマネージングディレクター。 1995年、横浜生まれ。東京農業大学醸造科学科の学士課程を修め、菌類と日本酒の生化学的な理解を深めた。卒業論文は『古細菌の単離と系統解析』。その後、株式会社東芝デジタルソリューションを経て株式会社オゾンヘルスケアラボラトリーに入社。
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