「athlete's foot」という言葉を聞いて、スポーツ選手が特に悩む何か、と思い浮かべるかもしれませんが、実際には水虫、正確には足白癬のことを指します。「athlete's foot」という名前は、スパイク等の密閉性の高い蒸れがちな靴を履き、シャワー室やロッカールームを共有することが多く、真菌が繁殖しやすい環境にいることが多いことに基づいています。しかし、この条件はスポーツ選手以外の多くの人にも当てはまるため、実際には幅広い人々が感染リスクを持っています。
足白癬は、白癬菌という真菌(カビ)の一種によって引き起こされます。この感染症の原因のほとんどはTrichophyton属に分類される真菌によるものです。白癬菌は皮膚、爪、頭皮の角質層に感染する真菌の一群です。この真菌は特に湿った環境を好み、人間の皮膚から栄養を得て生きることができます。白癬菌は非常に頑健で、直接の接触だけでなく、感染した皮膚片が付着したタオルやマット、靴などを介しても伝播する可能性があります。水虫は男性に多いイメージがありますが、女性も感染する可能性があります。
足白癬には、足白癬趾間型、小水疱型、角質増殖型の3つの型が存在します。
白癬菌は足以外にも股部白癬(いんきんたむし)、頭部白癬(しらくも)、体部白癬(ぜにたむし)、爪水虫など、体の他の部位にも感染します。ちなみに「たむし」という言葉は、かつて田んぼで農作業をしていると発症し、田んぼに棲む虫のせいだと考えられていたため、「田虫」から来ていると考えられています。(諸説あります)
足白癬になった場合、主な治療法は抗真菌作用を持つ外用薬の塗布です。進行すると爪に感染し、爪水虫に進行する可能性があるため、初期段階での治療が重要です。初期段階を見逃し、進行すると、白癬菌が皮膚の深い層まで侵入し、感染を根絶するのに時間を要するようになります。特に角質増殖型や爪水虫の場合、感染した角質や爪を完全に再生させるには数週間から数ヶ月かかります。さらに、再感染を防ぐためには、日常生活での予防措置が非常に重要です。治療中は定期的に医師の診察を受け、処方された治療を正しく続ける必要があります。
足白癬の予防には、足を乾燥させ通気性を保つこと、清潔に保つことが重要です。また、公共の場所で共用される足ふきマットやシャワー室に直接触れないようにすることも感染を避けるために役立ちます。
特に以下の物や場所に気を付けてください。
予防や治療中は以下のことに気を付けましょう。