地域によっては梅雨明けにより、夏本番が到来ですね。屋外でのレジャーや運動が楽しみになる一方、同時に熱中症のリスクも増す季節です。しかし、適切な知識と対策を講じれば、暑さを楽しみながらも健康的に運動を続けることが可能です。そのためには熱中症警戒アラートをチェックすることが鍵となります。この記事では、夏のレジャーや運動を安全に楽しむ方法を解説します。
熱中症は、気温や湿度が高い状況で体温調節がうまくいかなくなることで起こる重大な健康問題です。そのため、高温の夏場に運動する際は、熱中症警戒アラートをチェックすることが重要です。このアラートにより、その日の熱中症のリスクを把握することが可能となり、適切な運動強度や持ち物、運動時間などを計画するための参考とすることができます。
熱中症警戒アラートとは、熱中症を予防するために環境省と気象庁が発表しているアラートです。2021年から全国を対象に、運用が開始されました。暑さ指数(WBGT値)の値が33以上と予測された場合、気象庁の府県予報区等を単位として発表します。
暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)は、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標です。単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、その値は気温とは異なります。単純に気温だけでなく、湿度や日差しも考慮しているのが暑さ指数(WBGT値)です。日々のニュースの中でも、最高気温だけでなく、WBGT・暑さ指数を参考にすることで、より的確な熱中症予防ができます。
(公財)日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」(2019)によると、WBGTによる運動の指針は以下の通りです。
WBGTが31以上は「運動は原則中止」なので、熱中症警戒アラート発令中は基本的に涼しい屋内で過ごしましょう。また、熱中症警戒アラートが発令されていなくても、特に激しい運動をする方や、暑さに弱い方は要注意です。
特別の場合以外は運動を中止する。
特に子どもの場合には中止すべき。
熱中症の危険性が高いので、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける。
10~20分おきに休憩をとり水分・塩分の補給を行う。
暑さに弱い人(体力の低い人、肥満の人や暑さに慣れていない人など)は運動を軽減または中止。
熱中症の危険が増すので、積極的に休憩をとり適宜、水分・塩分を補給する。
激しい運動では、30分おきくらいに休憩をとる。
熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。
熱中症の兆候に注意するとともに、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給する。
通常は熱中症の危険は小さいが、適宜水分・塩分の補給は必要である。
市民マラソンなどではこの条件でも熱中症が発生するので注意。
リアルタイムの熱中症警戒アラートは環境省 熱中症予防情報サイトから確認できますが、おすすめなのは環境省の公式LINEです。1分程度の設定をするだけで、夕方18時と朝7時の2回、任意の地域の熱中症警戒アラートの通知が来るようになります。夕方18時の通知は予報で、朝7時の通知は実際に発令中のものが通知されます。地域は複数設定できるので、離れた場所に住む家族がいる方にとっては便利です。日々のアラート情報を手軽にチェックすることで、その日の運動計画を立てる際の判断材料にすることができます。
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熱中症警戒アラートをチェックすることは大切ですが、それだけでなく日頃からの基本的な対策も欠かせません。
運動前には十分な水分を摂取し、運動中も定期的に水分補給を行うことが重要です。水だけでなく、塩分も一緒に補給するとさらに効果的です。喉が渇く前に水分補給をしましょう。
吸湿性・速乾性のある衣服を選び、なるべく日射を避けるようにしましょう。また、帽子を被るなどして直射日光を避けることも重要です。
体調が優れないときや、ちょっとでもおかしいなと思った時は無理に運動を行わず、適度な休息を取ることが大切です。
暑さを楽しみつつ、安全に夏の運動を楽しむためには、「熱中症警戒アラート」の利用と基本的な熱中症対策の理解が必要です。夏を全力で楽しむためにも、適切な対策を心掛けましょう。この情報が皆さんの健康で楽しい夏の過ごし方の参考になれば幸いです。
環境省 熱中症予防情報サイト
環境省 LINEアプリを活用した熱中症警戒アラート・暑さ指数の情報配信
厚生労働省 熱中症予防のための情報・資料サイト
(公財)日本スポーツ協会 スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック(2019)
政府広報オンライン 熱中症は予防が大事!熱中症警戒アラートが発表されたときにとりたい行動