【田中新聞】肥満はうつる?!「つながり」を解説|Bonne Santé
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【田中新聞】肥満はうつる?!「つながり」を解説

12/25/2020
田中 克彦

単一健康保険組合の常務理事経験者である田中克彦氏が健康や健保について易しく解説します。
【コラム執筆】
単一健康保険組合
元常務理事 田中 克彦

名著「つながり」(CONNECTED)

 今回は、2010年に米国のニコラス・A・クリスキタス、ジェイムス・H・ファウラーが書いた「つながり」(Connected)をご紹介します。
 
私たちは社会的なつながりを持って生きています。つながりはどこまでも続いており、広大なネットワークを形成しています。本書にはつながりが私たちに与える影響とその利用の仕方が書いてあります。まずはつながりに関する大原則をご紹介します。

ルール1:私たちは似ている人と友人になる
ルール2:友人は私たちに影響を及ぼす
ルール3:友人の友人の友人は私たちに影響を及ぼす
 
 ルールを読むと私たちの考え方や習慣は、周囲の人や環境から知らないうちに影響を受けていると分かります。例えて言うと、健康な人の周りには健康な人が集まり、影響しあって益々健康になっていくということです。病気や悪習慣は必ずしも遺伝子だけが原因ではなさそうです。逆を考えるとゾっとしますね。肥満になりやすい習慣、タバコを吸う習慣は周囲の人間に伝染する、「肥満はうつる」「喫煙はうつる」ということです。研究によると、興味深いことに友人の友人の友人までは影響力があり、友人の友人の友人の友人には影響力がなくなるようです。
 

赤信号は皆で渡っても轢かれる

 その昔、あるコメディアンが「赤信号、皆で渡れば怖くない」と言い、笑いを誘いました。しかし、日本人の健康を考えれば、それは全く逆です。その昔、男性の喫煙率は80%台だったそうです。私も若い頃に、友人からタバコを吸うように言われました。そういう時代だったのです。まさに、皆で赤信号を渡っている状態です。みんなでタバコを吸えばみんなで不健康になります。現在では喫煙率が下がり、そのような同調圧力は弱くなっていると感じております。つながりからの影響に従って行動すると、場合によっては取り返しのつかない選択をしてしまっているかもしれないのです。自分の意思で考え、選択することが重要です。
 

痩せたければ痩せてる人間と友達になれ

 日本という国はどのような場面でも、周囲の言動に従う同調圧力が強いと言われており、場の雰囲気を読む、全体の流れという言葉をよく使います。そういえばKY(空気が読めない)という流行語もありましたね。私たちは「みんなが~しているから」「誰も××していない」という理由で何かを選択しがちなのです。つまり、ある人が太っていてもその人のせいではない、とまでは断言できませんが、その人が属するつながりのせいかもしれません。もしあなたが、運動習慣や食事習慣を改善したければ、あなたと同じように改善したい意志がある人やあなたが目標とする習慣を既に身に着けている人とつながるのが良いでしょう。今はSNSでカンタンにつながることができるので、まずはフォローしましょう。
 

さいごに

あなたの行動は沢山の人に影響を与えます。つまり、自分が健康で幸せでいることはあなたの友人はもちろんのこと、友人の友人の友人をも健康で幸せにするのです。


プロフィール画像
田中 克彦
株式会社オゾンヘルスケアラボラトリー
株式会社オゾンヘルスケアラボラトリーのシニアコンサルタント。 1954年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学経済学部経済学科卒。日本発条㈱に1976年4月~2019年3月在籍し、経理部や人事部、同社健康保険組合常務理事を経験。その才能は多彩であり、多くの資格を持つ(労働安全衛生トレーナー、第一種衛生管理者、心理相談員、ストレスマネジメント検定(マスターコース)、キャリアコンサルタント、健康経営アドバイザー)
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