健保のしくみけんぽ解説シリーズ

【給料の裏側・2】保険料の半分以上が高齢者のために使われている!?

2021/06/04
田中 克彦


前回(https://www.bonsan.net/column/ywvbdxt7a)に引き続き、今回も保険料に関する解説を進めていきます。

目次

基本保険料と特定保険料

健康保険料は基本保険料と特定保険料に区分することができます。基本保険料は皆さんと家族の保険給付や保健事業などに使われています。一方、特定保険料は高齢者の医療費の支援に使われているのです。


増加する一方の特定保険料

特定保険料の使い道は「前期高齢者納付金」と「後期高齢者支援金」です。「前期高齢者納付金」は65歳から74歳までの医療費負担を現役世代の皆で負担する仕組みです。また、「後期高齢者支援金」は75歳以上の後期高齢者の医療費の一部を現役世代が負担する仕組みです。

日本は世界最高水準で高齢化が進行する国*1です。特定保険料は、「前期高齢者納付金」が一時的に減少することはあっても、傾向としては増加の一途を辿っています。


保険料の将来

既に一部の健保組合では、特定保険料が基本保険料を上回っており、こうした健保組合は増えています。この仕組みを維持し続けると、やがてほとんどの被保険者(皆さん)が自分のために使う基本保険料の額以上の特定保険料を支払い続けることになります。

これでも日本はドイツやフランスに比べて個人の健康保険料の負担自体が低いので、政府は大きな問題と捉えていないようです。しかし、私たちにとって健康保険料がどこまで引き上げられるのかは、将来に対する大きな不安となるでしょう。

自分たちの保険料を今以上に上げないために、そして健康保険制度を崩壊させないためにできることがあります。それは私たち自身が努力をして、高齢になった時も毎日を健康で過ごせるようにすることです。


参考文献
*1)https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2020/zenbun/pdf/1s1s_02.pdf


田中 克彦
株式会社オゾンヘルスケアラボラトリー
株式会社オゾンヘルスケアラボラトリーのシニアコンサルタント。 1954年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学経済学部経済学科卒。日本発条㈱に1976年4月~2019年3月在籍し、経理部や人事部、同社健康保険組合常務理事を経験。その才能は多彩であり、多くの資格を持つ(労働安全衛生トレーナー、第一種衛生管理者、心理相談員、ストレスマネジメント検定(マスターコース)、キャリアコンサルタント、健康経営アドバイザー)